耐火性能検証
建物の構造耐火性能を、性能的に検証するための設計手法です。
① 耐火性能検証の概要
耐火設計は、建物内の火災拡大を抑制するために壁や床を火熱に対して丈夫に造る区画設計と、建物架構の過剰な熱変形を防止するとともに耐力低下を防ぐ構造耐火設計の2つからなります。両者ともそれぞれ区画部材および構造架構の主要構造部に対して一定の耐火性能(非損傷性、遮熱性、遮炎性)を備えるための設計手法です。
平成12年の改正建築基準法により防火関係の基準が性能規定化され、耐火設計関係では下記のように3つのルートを設計者が選択できるようになりました。
ルートA:例示仕様または認定品を使用する従来からの仕様基準に適合させる方法
ルートB:国土交通大臣が定めた耐火性能検証法により性能を確認する方法
ルートC:高度な検証法を用いて性能を確認し国土交通大臣の認定を受ける方法
② 耐火性能検証法
上記のルートB設計法に用いるのが「耐火性能検証法」(平成12年建設省告示第1433号)です。この検証法を用いて性能確認した構造架構および区画部材の主要構造部は、耐火構造の例示仕様・認定仕様と異なる仕様であっても耐火構造と見なされ、建物全体としては耐火建築物と見なされることになります。
この検証により、例えば3時間耐火の多い大型建築物などでは仕様規定により要求される耐火被覆厚を低減でき、コストダウンや施工性の改善が図れる可能性がでてくることになります。
なお、耐火設計では一つの建物は全体を同じ設計ルートで設計することが求められており、例えば階ごとにルートAとルートB、Cを混用することは許されていません。
弊社はこれらに係わる業務をご提供いたします。
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